ベンチャーウイスキー秩父蒸留所見学#2 令和3年5月13日
第1蒸留所から5分と掛からない場所にそびえ立つ秩父第2蒸留所。
外観からも第1とは比べ物にならない大きさで驚きます。
まずは麦芽ですがノンピート麦芽を主に使用。第1蒸留所の5倍の2トン仕込みとの事なので
フレコンバックに入った麦芽を釣り上げて使用します。
※フレコンバックをクレーンで釣り上げてフレコンバックの下が開くので便利です。
最新式のミルを使用し麦芽をハスク、グリッツ、フラワーに分けます。
マッシュタンの糖化槽ですがやはり1仕込み2トンと多いので大きいです。
上層部が銅で加工されています。熱効率の為なのか?聞くのを忘れました
内部は目詰まりが起きない様にカッターが回っております。
又、サイドに覗き窓がついており濾過層『ハスク、グリッツ、フラワー』が見れます。
麦汁が濾過されていく様子が良く見えるとの事で秩父蒸留所の特注品です。
発酵槽については第1はミズナラに対して第2はフレンチオークです。
サイズが大きくて樽に使う板がミズナラ製では手に入らないとの理由でした。
酵母についても第1蒸留所と同じ乾燥酵母を使用しています。
そして蒸留器ですが壮大で美しいです。
こちらもフォーサイス社で第1は間接蒸留でしたが第2は直接蒸留となります。
形状自体は第1蒸留所とアームの角度まで一緒との事ですが、
様々な個性を持った原酒を確保する為にも第2は伝統的な直接蒸留にしたとの事です。
麦芽の種類、ピート使用の有無、蒸留方法の違い、熟成樽の違い
熟成年数等の様々な個性を持つ原酒を持つ事が蒸留所として大事であり財産なのです。
第2蒸留所の目の前には1万8000個の樽を収納できるラック式の第7熟成庫があります。
大きすぎて写真におさまりません(笑)
2021年夏に稼働との事ですが弊社のプライベートカスクを熟成して頂けないかな?(笑)
そして今回は樽工場に連れていって頂きました。なんと約5年前から稼働していたとの事です。
こちらでは樽の修理、再利用の為の工程を行う場所となっています。
新樽に関しては木材をカットし樽を組み立てウイスキー熟成に必要な為に樽の中を炭化させます。
簡単に言ってますが何故、木材をカットして組み立てて樽に出来るのかが不思議でわかりません。
正確に機械がカットしてくれなければ成り立たない作業ですね。
樽内部のチャーの焼き加減も人間的感覚との事です。
樽内部を何故焼くのか?
オーク材が持っているリグニン由来のバニラの香等の甘い香気成分を生成させる事が目的です。
焼き加減もライトなら長熟、ヘビーなら短熟しかもスモーキー感も出るそうです。
ウイスキー原酒に茶色が付くのはタンニン(ポリフェノール)も影響です。
今回の見学は中身が濃すぎてあっという間でした。
第2蒸留所で熟成されたウイスキーの役割はまだ決まってはないとの事でしたが、
先ずは現在の品不足の打破、そして未来の為の貯蔵熟成との事です。
手厚く手厚くご案内頂いたブレンダーの三澤様、又、プロダクションチーフの門間様有難う御座いました。
門間様は農大出身で後輩で親近感がわいて嬉しかったです。
名残惜しいですが居座り過ぎて仕事の邪魔をしたくなく帰路につきました。
勿論帰りは豚丼を食べました。勿論、感染予防の為にテイクアウトして近くの羊山公園で頂きました
長文でしたがご購読有難う御座いました。